最終更新日2006年1月26日

おとなたちの絵本部屋レポート

「絵本は子どもだけのものじゃない!」「大人だからこその
読み方ができる!」そんな思いをこめつつ、「絵本部屋」は
大人がゆっくり自分のために絵本でくつろぐ時間と場所です。
文字を読み慣れている大人のみなさんが、絵本の「絵」
ゆっくりと読んでみると、いろんな発見があるかも・・・。

11月のテーマ(bT4)   ピーター・スピアーの絵本
2005年 11/21(火) 11/25(金) 10:30〜12:00  

Peter Spier(1927〜)
1927年、オランダ・アムステルダム生まれ。海軍で兵役を終え、オランダの最有力雑誌の
記者を数年つとめた後、1952年、アメリカに渡る。精力的な活動は、百を上回る作品を
生み出しているが、そのどれもが確かなデッサン力に支えられ、詩情とユーモアにあふれ、
高い評価を得ている。


ペンギンハウスのイチオシ!

『うんがにおちたうし』 フィリス・クラシロフスキー作 ピーター・スパイアー絵 
みなもとちか・訳 ポプラ社 1,260円(税込)
牛のヘンドリカはある日、運河に落ちて街まではこばれました。
街中のひとがびっくり!

スピアとスピアーの表記の違いはともかく、これは「スパイアー」なので、
初版が古いにもかかわらず、ピータースピアーと同一人物だと気づかない
人も多いのでは?(かくいう私もそうだった) 今回の絵本部屋で、唯一、
お話をほかの人が書いています。 オランダ出身のスピアーは、こういう
絵本は得意なんじゃないかしら。タイトルのつけ方や、運河のしくみのことで、
参加者と大いに盛り上がった一冊です。

ぺンギンハウスのニオシ!

『ああ、たいくつだ!』 ピーター・スピアー・作 松川真弓・訳
評論社 1,365円(税込)
男の子二人、な〜んにもすることがない。ママにどなられて、じゃあ何か
つくろうか。そしてできあがったものは、なんと!

自分が子どもだったら、ちょっと真似したくなっちゃうような内容。身近な
もので飛行機ができるなんて! 退屈なときと、飛行機づくりに励んで
いるときと、結末の男の子たちの浮き沈み?が痛快。そして、両親の
表と裏もおかしい。そこまでやるのか!の声が参加者からも飛び出しました。

ペンギンハウスのサンニオシ!

『はやい−おそい たかい−ひくい』 ピーター・スピア文・絵 
渡辺茂男・訳 童話館出版 1,575円(税込)
反対言葉、反対絵の本。

かつて冨山房から出ていた本ですが、今年、童話館出版から復刊となりました。
一見、図鑑風の絵本ですが、すべて対になる言葉とその絵が描かれています。
言葉で反対語だと知っていても、絵で表してくれるとおもしろい! それに、
反対って、こんなにいろいろあるのね〜と気づかせてくれます。反対語を
学ぶ本ではなく、反対語(絵)を楽しむ絵本です。


<絵本部屋ブックリスト>

『ノアのはこ船』 ピーター・スピアー絵 松川真弓・訳 評論社 1,365円(税込) 1986年
『せかいのひとびと』 ピーター・スピアー絵・文 松川真弓・訳 評論社 1,575円(税込) 1982(1980)年
『きっとみんなよろこぶよ!』 ピーター・スピアー作 松川真弓・訳 評論社 1,260円(税込) 1987(1978)年
『ああ、たいくつだ!』 ピーター・スピアー・作 松川真弓・訳 評論社 1,365円(税込) 1989(1978)年
『雨、あめ』 ピーター・スピアー絵 評論社 1,470円(税込) 1984(1982)年
『はやい−おそい たかい−ひくい』 ピーター・スピア文・絵 渡辺茂男・訳 童話館出版 1,575円(税込) 2005(1972)年
『ばしん! ばん! どかん!』 ピーター・スピア文・絵 渡辺茂男・訳 童話館出版 1,575円(税込) 2004(1972)年
『サーカス!』 ピーター・スピア作 ほづみたもつ・訳 福音館書店 1,575円(税込) 1993年
『ホラすてきなお庭でしょう』 ピーター・スピア・イラスト わしづなつえ・訳 瑞雲舎 1,365円(税込) 1998(1969)年
『バンザイ! 海原めざして出航だ!』 ピーター・スピア・イラスト わしづなつえ・訳 瑞雲舎 1,365円(税込) 1998(1969)年
『市場へ! いきましょ!』 ピーター・スピア・イラスト わしづなつえ・訳 瑞雲舎 1,365円(税込) 1998(1969)年
『うんがにおちたうし』 フィリス・クラシロフスキー作 ピーター・スパイアー絵 みなもとちか・訳 ポプラ社 1967(1953、1957)年

<ノックノック! 絵本部屋>

ピーター・スピアーの絵本はサラッと描いているようで、でも実はすご〜く書き込んで
いるので、いつかじっくりと読みたいと思って今回取り上げることにしました。たぶん、
一番有名なのは『雨、あめ』だと思いますが、過去に絵本部屋で取り上げたことが
あるので(文字なし絵本のテーマで)、今回はサラリと。それから『サーカス』も(サーカス
がテーマの回で)。で、絵本部屋で一番盛り上がったのが、イチオシにもあげた
『うんがにおちたうし』。私、この絵本「うんがにおううし」(ウンが匂う牛)だと思っていたという
話をしたら、参加者の一人が「うんがに」という蟹かと一瞬思ったというので、大笑い。
このタイトル、どうなんでしょうかね。さらに、作者の読み表記もどうなんでしょうねぇ。
でもとってもおもしろいんですよ〜。運河のしくみについて、みんなであれやこれや
話して盛り上がりました。そして、瑞雲舎のマザーグースライブラリーの3冊、とても難しい
絵本で、これを機会に勉強しようと取り組んだけど撃沈でした。うまく説明できなくて
ごめんなさい!

<おもちゃであそびタイ!ム in 絵本部屋>

ねことねずみの大レース ドイツ・セレクタ社 6,510円(税込)


2003年・ドイツ・ゲーム・オブ・ザ・イヤー賞を受賞した優れもの。
本当によく考えられたルールだよなぁと思います。夏に子どもたちと
遊んだときもキャーキャー悲鳴があがりましたが、今回大人だけでも
キャーキャー大騒ぎでした。


10月のテーマ(bT3)  コロコロ絵本
2005年 10/17(月) 10/21(金) 10:30〜12:00  参加者6人
今月のテーマ「コロコロ絵本」は、転がるお話の絵本です。これまで、店内のコーナーでは、
おもちゃと組み合わせしやすいので何回もディスプレイしてきましたが、店に常備してある
絵本だけでなく、一度、こういう変なテーマでの絵本探しを真剣に取り組んでみたかったので、
絵本部屋で採用させていただきました。
主人公が転がったり、物語の導入部やクライマックスなど大事なシーンで何かが転がったり、
転がるもの、転がる場面は様々です。いろんなコロコロを楽しみました。

ペンギンハウスのイチオシ!

『パンちゃんのおさんぽ』
どいかや・作 BL出版 1,050円(税込)
でんぐり返しが得意のパンダのパンちゃん。

パンちゃんがでんぐり返しをして、行きて帰りし物語。これだけなのに
どうしてこんなに楽しいの!? 行きは「でんぐる」、帰りは「ぐるでん」という言葉、
間に文字のまったくないパノラマの絵、パンダらしくモノトーンの世界(エッツを彷彿とさせる)、
一見シンプルながら絵本の醍醐味が凝縮されています。

ペンギンハウスのニオシ!

『わすれんぼうのはりねずみ』
竹下文子・作 ミヤハラヨウコ・絵 あかね書房 1,260円(税込)
ハリーはわすれんぼう。自分の名前も忘れちゃう。そんなハリーが
大好きなポーちゃんの誕生日に呼ばれて・・・?
転がるのは、物語のクライマックスシーン。ハリーが転がった結果が、
この絵本の楽しいところ。しかも、それを文章ではなく、絵で見せてくれる。
ストーリーとはあまり関係ない部分の絵でも楽しませてくれます。

ペンギンハウスのサンニオシ!

『このゆきだるまだーれ?』
岸田衿子・文 山脇百合子・絵 福音館書店 945円(税込)
すべっていく橇の上から次々と動物たちが落っこちて・・・。
あらためて読んでみて、あら、こんなに楽しい本だったのね〜。
転がる+雪、というテーマは、今回の絵本部屋で取り上げただけでも3冊あり、
わりと結びつきやすい要素ではあると思うのですが。
繰り返しのストーリーと、「転がる」ならではの独特の擬態語といった言葉の魅力に
やさしい絵が加わって、何回も続けて読みたくなってしまいます。。


<絵本部屋ブックリスト>
『ともともの ころころ ぽこっ』 きたやまようこ・作 主婦の友社 924円(税込) 2003年
『ころころころ 元永定正・作 福音館書店 780円(税込) 1984(1982)年
『まり』 谷川俊太郎・文 広瀬 弦・絵 クレヨンハウス 1,050円(税込) 2003年
『ごろごろごろ』 長 新太・作 BL出版 966円(税込) 1999年
『ごろごろごろん』 とよたかずひこ・作絵 鈴木出版 1,050円(税込) 2004年
『りんごころころ』 松谷みよ子・文 とよたかずひこ・絵 童心社 840円(税込) 2001年
『タイヤがゴロゴロ』 いとうひろし・作 絵本館 924円(税込) 1994年
『ごろりん ごろん ころろろろ』 香山美子・作 柿本幸造・絵 ひさかたチャイルド 1,050円(税込) 1984年
『パンちゃんのおさんぽ』 どいかや・作 BL出版 1,050円(税込) 1997年
『このゆきだるま だーれ?』 岸田衿子・文 山脇百合子・絵 福音館書店 945円(税込) 1997年
『ねずみくんとゆきだるま』 なかえよしを・作 上野紀子・絵 ポプラ社 1,050円(税込) 2001年
『ごろごろ どっしーん』 西内ミナミ・文 山内ふじ江・絵 福音館書店 780円(税込) 1999(1978)年
『はいはい のんのん どっちゃんこ』 かこさとし・作 小峰書店 1,050円(税込) 1996年
『わすれんぼうのはりねずみ』 竹下文子・作 ミヤハラヨウコ・絵 あかね書房 1,260円(税込) 2005年
『ボタンのくに』 なかむらしげお・にしまきかやこ・作 こぐま社 1,575円(税込) 1967年
『てまりのき』 あまんきみこ・文 大島妙子・絵 講談社 1,365円 2002年
『パンはころころ』 マーシャ・ブラウン作 八木田宜子・訳 冨山房 1,260円(税込) 1976年
→→『おだんごぱん』 瀬田貞二・訳 脇田 和・絵 福音館書店
『おむすびころりん』 與田準一・文 渡辺三郎・絵 偕成社 1,050円(税込) 1967年
『にぎりめしごろごろ』 小林輝子・再話 赤羽末吉・画 福音館書店 840円 1994(1984)年
→→『おだんごころころ』 大川悦生・作 伊勢英子・絵 ポプラ社
→→『だんごころころ』 松谷みよ子・文 和歌山静子・絵 童心社
→→『まめっこころころ』 吉沢和夫・文 斎藤博之・絵 ほるぷ出版
『いもごろごろ』 川村たかし・文 村上 豊・画 教育画劇 1,260円(税込) 1998年

<ノックノック! 絵本部屋>
半は創作物語、後半は昔話・民話という構成ですすめました。
コロコロ絵本はきっとまだまだいっぱいあると思います。どうして、こんなに転がる
話が多いのか考えてみたのですが、たぶん絵本の中に動きが出ることで場面展開が
しやすくなるのでしょうかね。
講座の前に、参加者に自己紹介を兼ねて、「転がる」をテーマにエピソードを話してもらいました。
階段から転がった話、食べ物を転がした話、欲しいものが転がってくる話、
みなさん本当にオモシろエピソード満載で、笑いがたえなかったです。

今月のお茶菓子は、テーマにちなんで「おだんごぱん」
今にも転がりそうでしょ?

<おもちゃであそびタイ!ム in 絵本部屋>

こちらもテーマにちなんで転がすおもちゃ。右のカップに入れた
ビー玉を、振り子のカップに入れて、左のカップに落とす。
これを何回も続ける遊びです。
定番で常時置いてある商品なんですが、意外にみなさん
試したことがなく、初心者ばかり。だから、全然上手じゃなく、
それがかえっておもしろかった!
パイプシーソー(ドイツ・ベック社) 4,620円(税込)


●9月のテーマ(bT2)   宮西達也さんの絵本
2005年 9/22(月) 9/26(木) 9/30(金) 10:30〜12:00  参加者8人
みやにしたつや(1956〜)
1956年静岡県生まれ。日大芸術学部美術学科卒。『パパはウルトラセブン』で
第10回剣淵絵本の里大賞を受賞。『きょうはなんてうんがいいんだろう』で第30回
講談社出版文化賞絵本賞受賞。

ペンギンハウスのイチオシ!

『ペンちゃんギンちゃん おおきいのをつりたいね!』
宮西達也・作 ポプラ社 1,260円(税込) 2005年
ペンギンのペンちゃんとギンちゃんは、とってもなかよし。何をするのも
いつでもふらり。ある日魚つりに出かけると・・・。どんなものが釣れたかな?

ペンギンハウスのイチオシといえば、やはりペンギンの絵本でしょう。
繰り返しのパターンで、先が想像できるオチだからこそ、何回読んでも
安心して楽しめます。見えるのは氷山の一角というか、見えていない
部分はどんなふうにも想像できるわよね、という楽しい絵本です。

ペンギンハウスのニオシ!

『まねしんぼう』
みやにしたつや・作絵 岩崎書店 956円(税込) 1999年
ぼくのいもうとは、まねしんぼうなんだよ。
いつでもぼくのまねをする

下の子は、いつでの上の子の真似をする。まあ、普通のきょうだいなら、
それが原因で上の子が怒って喧嘩になるところだけど、この絵本のお兄ちゃんは
自分の真似をする妹を温かい目で見守る、できたお兄ちゃんです。

ペンギンハウスのサンニオシ!

『おしえてウルトラマン』
宮西達也・作絵 学習研究社 998円(税込) 1998年
「きみの悩みに答えよう」。これがウルトラマン流人生相談。

いろんな人の悩みのお便り(差出人がおかしい!)に、ウルトラマンが
こたえるというスタイル。ウルトラマンの、いや、世の大人の生き方の
指針がわかるというものです。

<絵本部屋ブックリスト>

『ペンちゃんギンちゃん おおきいのをつりたいね!』宮西達也・作 ポプラ社 1,260円(税込) 2005年
『まてまてー!』宮西達也・作 金の星社 1,155円(税込) 2005年
『おとうさんはウルトラマン』 みやにしたつや・作絵 学習研究社 1,229円(税込) 1996年
『帰ってきたおとうさんはウルトラマン』みやにしたつや・作絵 学習研究社 1,260円(税込) 1997年
『おとうさんはウルトラマン おとうさんの休日』 みやにしたつや・作絵 学習研究社 1,260円(税込) 1999年
『パパはウルトラマンセブン』 みやにしたつや・作絵 学習研究社 1,260円(税込) 1999年
『パパはウルトラセブン・ママだってウルトラセブン』 みやにしたつや・作絵 学習研究社 1,260円(税込)2001年
『パパはウルトラセブン・みんなのおうち』 みやにしたつや・作絵 学習研究社 1,260円(税込) 2003年
『おしえてウルトラマン』宮西達也・作絵 学習研究社 998円(税込) 1998年
『いとしのウルトラマン』宮西達也・作絵 学習研究社 998円(税込) 1998年
おとうさんはウルトラマン おとうさんの育自書』 学習研究社 1,575円(税込) 2005年
『おとうさん・パパ・おとうちゃん』みやにしたつや・作絵 鈴木出版 1,050円(税込) 1996年
『おっぱい』 みやにしたつや・作絵 鈴木出版 1,050円(税込) 1990年
『まねしんぼう』 みやにしたつや・作絵 岩崎書店 956円(税込) 1999年
『もう よわむしじゃない』西本鶏介・作 宮西達也・絵 鈴木出版 1,155円(税込) 2005年
『おまえうまそうだな』 宮西達也・作絵 ポプラ社 1,260円(税込) 2003年
『おれはティラノサウルスだ』宮西達也・作絵 ポプラ社 1,260円(税込) 2004年
『きみはほんとうにステキだね』宮西達也・作絵 ポプラ社 1,260円(税込) 2004年
『きょうはなんてうんがいいんだろう』宮西達也・作絵 鈴木出版 1,155円(税込) 1998年
『ぶたくんと100ぴきのおおかみ』 宮西達也・作絵 鈴木出版 1,155円(税込) 1991年
『はらぺこおおかみとぶたのまち』 宮西達也・作絵 鈴木出版 1,155円(税込) 1994年
『メリークリスマスおおかみさん』みやにしたつや・作絵 女子パウロ会 1,050円(税込) 2000年
『はなすもんかー!』宮西達也・作絵 鈴木出版 1,155円(税込)1997年
『カエルくんのおひるね』宮西達也・作絵 鈴木出版 1,155円(税込) 2000年
『にゃーご』宮西達也・作絵 鈴木出版 1,155円(税込) 1997年
『まわる まわる』みやにしたつや・作絵 鈴木出版 1,050円(税込) 2000年
『ようすのことばずかん』宮西達也・イラスト 学習研究社 2,363円(税込)1998年
『クリーム きみならできるさ』宮西達也・作絵 学習研究社 998円(税込) 2002年
『どきっ! 恋するってこんなこと』 みやにしたつや・作絵 岩崎書店 1,050円(税込) 1998年


<ノックノック! 絵本部屋> 
「おとうさんはウルトラマン」シリーズや、「ティラノサウルス」の絵本シリーズで有名な宮西達也さん。
これらの人気シリーズ以外の絵本も一度じっくり読んでみたいと思い、取り上げることにしました。
初期のころは、ほかの方が書いたお話に絵をつけることが多かったようですが、
最近のもの(今、生きている絵本のほとんど)は、自分でお話も書かれることが多いようです。
大きくは、カエルのおはなし、ブタのおはなし、家族を描いたおはなし、と登場人物でわけることができるし、
話のパターンも、子育て、人情もの、どんでん返し、恋愛&人生哲学、などに分けられる気がします。
特に小さい子向けの本は、繰り返しが多くて、それが安心でき、おはなし会なんかでもぴったりそう。
個人的にはあまり好きなタイプの絵ではなかったのですが(多くの参加者もそうおっしゃってました)、
こうして一度に読んでみると、やっぱりこのお話には、このアニメっぽいデフォルメされた絵がぴったり
なんだな〜と思います。特に人情ものの「ティラノサウルス」シリーズなんか、写実的な絵で見せられたら、
かえって重くなっちゃうものね。絵だけでくすっとなる要素があるから、重いお話と調和されて、
いい雰囲気になるのだと思いました。
それにしても、本当に子どもたちに、そして世のお父さんたちに寄り添った作家さんなんだな〜。 

<おもちゃであそびタイ!ム in 絵本部屋>

「カルテット」でうすのろまぬけ!
講座の常連さんたちは、もうカードゲーム「カルテット」のルールを
ご存知の方も多いと思ったのですが(前に遊んだような気がしたので)、
それが意外にご存知ないとわかり、まずは正規のルールで遊びました。
本当は時間の関係で、このカードを使った、トランプの「うすのろまぬ
け」で遊ぼうと思っていたんだけど、結局、両方のルールで遊びました。
カルテットは、いろんなメーカーからいろんなデザインもののが出ていますが、
ほかにもメモリー(神経衰弱)もできるし、いろんな遊び方ができる優れものだと思います。


 
●6月のテーマ(bT1)   大きいことはオモシロイ!? 中身がビッグサイズえほん
 
2005年 6/20(月) 6/23(木) 6/24(金) 10:30〜12:00  参加者10人
 
 
規格外のお話はいろいろあります。小さい人たちの話、小さくなっちゃう話、なが〜く伸びちゃう話。
で、今回は、大きい、あるいは大きくなっちゃう話を集めてみました。対象は、人間、食べ物、動物
などいろいろありが、予想外に大きいというのは楽しい要素なんでしょうね。「大きい!」というだけで
嬉しくなる要素になりうるというか。でも、中には、逆に大きいことが主人公たちのコンプレックスに
なっているものもあります。でも、そういったものはありのままの大きさを受け入れていく〜というまた
別のテーマにもつながっているようです。今回はリスト外としましたが、大きいといえば、『ぐるんぱの
ようちえん』それから、『おおきなかぶ』など昔話にもたくさん大きなお話があります。絵本としては
「大きい」話はたくさんあるんですね。
 
 
ペンギンハウスのイチオシ!
『せかいいち大きな女の子のものがたり』 アン・アイザックス文 ポール・O・ゼリンスキー絵 
落合恵子・訳 冨山房 1,890円(税込) 1996(1994)年
大きなアンジェリカは、村人を困らせていた大クマを退治します。
木を削った薄い板にダイナミックに描かれた愉快なお話。
 
まずは、みなさんこの絵に驚かれたようです。木目がはっきり見える木に描かれているのです。
これがすご〜くこのお話の雰囲気にぴったり。そして、最初の1ページめの絵、アンジェリカが
まだ赤ちゃんだったことの絵に大爆笑! とにかく大きなアンジェリカは、やることなすことすべて
大きなことばかり、想像以上の大きさは気持ちがいいほど。でもって、アンジェリカは自分の
大きさを悲観していないし、逆に活かした生活をしている。それになんといっても性格が
大らかだし、人助けを平然としている。そして、ここまでやるか!というくらいのクマとの格闘。
アンジェリカの偉業を伝説風にしたてあげているところもおもしろさの秘訣かも。


 
ペンギンハウスのニオシ!
『ジャイアント・ジャム・サンド』 ヴァーノン・ロード文絵 安西徹雄・訳 
アリス館 1,365円(税込) 1993(1972)年
チクチク村へやってきた400万びきのハチの大群をやっつけようと、
村人みんなで考え出したわなは・・・。
 
地味ながらも、この絵本は有名です。参加者の方の多くがこの絵本をご存知でした。
絵本を読みながら村人たちと一緒にジャム・サンドをつくった気分を味わえます。大きな
サンドイッチだけじゃなく、絵の細かいところ、たとえばハチに追いかけられている人たちなど
じっくり見るのもこの絵本の醍醐味。色がついているところと、ついていないところがあるのが
おもしろい。そして、やっぱり気になるのはこのジャム・ハチ・サンドの行方。すっきりと後味の
いい絵本でした。あ、でも逃げた3びきのハチの存在も気になります。
 

ペンギンハウスのサンニオシ!
講談社 1,690円(税込) 1976年
昔あるところに大きなものの大好きな王様がいました。家来に次々と大きなものをつくらせ、
大きな植木鉢には花の球根を植えましたが・・・。
 
大きなものをつくらせることはできても、大きな花を咲かせることはできない・・・というのが
このお話の主題なのかもしれませんが、自分の体の大きさを考えずに次々と大きなものを
思いつく王様、そしてそのわがままぶりが、子どものようと言ったら子どもに失礼かもしれないけど、
無邪気でなんとなく可笑しい。そんな王様をとめることができない家来たちも。相手が王様なので
文章がすごく丁寧な言葉で綴られているところがまたおもしろい。そして、安野さんの絵ならでは
ですが、どういうしくみでできているのか考えたくなるような絵がまたいいですね。


 
<絵本部屋ブックリスト>
『きょだいな きょだいな』 長谷川摂子・作 降矢なな・絵 福音館書店 840円(税込) 1994(1988)年
『おおきなもののすきなおうさま』 安野光雅・作絵 講談社 1,690円(税込) 1976年
『このよでいちばん大きな男の子』 キム・セシル・文 クォン・ジェリヨン・絵 神谷丹路・訳 少年写真新聞社 1,785円(税込) 2005(2004)年
『せかいいち大きな女の子のものがたり』 アン・アイザックス文 ポール・O・ゼリンスキー絵 落合恵子・訳 冨山房 1,890円(税込) 1996(1994)年
『カロリーヌのガリバーりょこう』 ピエール・プロブスト作 山下明生・訳 BL出版 1,050円(税込) 1998(1984)年
『マーティンより大きく』 スティーブン・ケロッグ作 内田莉莎子・訳 ほるぷ出版 1,680円(税込) 1979(1976)年
『ワニくんのおおきなあし』 みやざきひろかず・作 BL出版 1,218円(税込) 1985年
『森の大きな女の子』 エヴェリン・ハスラー文 レナーテ・ゼーリッヒ絵 服部いづみ・訳 セーラー出版 1,575円(税込) 1998(1996)年
『もりにきょじんがいる』 サリー・シーダー作 リタ・ファン・ビルセン絵 前田三恵子・文 学習研究社 1,260円(税込) 2003(1976)年
『ジャイアント・ジョン』 アーノルド・ローベル作 福本友美子・訳 文化出版局 1,365円(税込) 2004(1964)年
『おばけリンゴ』 ヤーノシュ文・画 矢川澄子・訳 福音館書店 1,260円(税込) 1969(1965)年
『マフィンおばさんのぱんや』 竹林亜紀・作 河本祥子・絵 福音館書店 840円(税込) 1996(1981)年
『ジャイアント・ジャム・サンド』 ヴァーノン・ロード文絵 安西徹雄・訳 アリス館 1,365円(税込) 1993(1972)年
『おおきいあかいクリフォード』 ノーマン・ブリッドウェル作 正木玲子・訳 ソニー・マガジンズ 1,260円(税込) 2002(1963,1985)年
『カブトくん』 タダ・サトシ作 こぐま社 1,365円(税込) 1999年
 
 
<ノックノック! 絵本部屋>
人が大きい場合、大きさのおもしろさでいえば、最初から大きい巨人のお話より、
普通のなかから大きな人が生まれ、普通の人たちの中で暮らしてくほうがおもしろい
ような気がします。やっぱり対比させるものがないと。そして大きい食べ物が多いというのは
人間のあこがれなんでしょうかね。普通に身の回りにある日常的なものが大きくなるのも
楽しくなる要素みたいです今回は。「大きい」という共通項だけで集めて、それぞれが
抱えるものはまちまちでしたが、楽しいテーマだったかん?(自画自賛)。
いわゆる今はやりの、集団への読み聞かせ用の大判絵本がテーマだと思って
お越しになった方、1名おりました。言ったじゃないですか、先月。本の大きさじゃないって!(笑)
 

 
 
<おもちゃであそびタイ!ム in 絵本部屋>
 
 
HABAブロックス・グランドセット 16,800円(税込)  ドイツ・ハバ社
 
今月はドドーンと積木をおろしました。これだけあれば大人も
楽しく遊べちゃうでしょう。でもね〜、何しろ参加者はみんな大人なので、
共同作業で何かひとつのものを作り上げるのは遠慮しちゃってなかなか
大変。で、あらかじめ積木を配分して順番に適当に置いてもらったんですが、
パッパパッパと感覚的に置いたり積んだりする人もいれば、延々と悩む
人もいて、性格がはっきり出て見ているほうとしては面白かったです。

 
●5月のテーマ(bT0) トミー・ウンゲラーの絵本 
 
2005年 5/23(月) 5/26(木) 5/27(金) 10:30〜12:00  参加者10人
 
Tomi Ungerer  (1931〜)
1931年、フランス・アルザス地方のトスラスビールに、天文時計職人の息子として
生まれる。幼少のころ父親を亡くしたこと、第二次世界大戦で故郷がドイツ領に
なったことが、後の彼の作品に影響を及ぼしたと言われている。年少時から絵に
親しみ、デザイン学校に進むが、放校処分となる。終戦後はヨーロッパを放浪。
1956年、25歳のときにアメリカに移住。ニューヨークへ渡り、1957年に『メロップス
のわくわく大冒険』を発表して好評を得る。以後、絵本ばかりでなく、漫画や広告
ポスターなど、大人向けの作品でも活躍。風刺と毒気のきいた作品は、世界各国で
人気。1998年度国際アンデルセン賞受賞。
 
ペンギンハウスのイチオシ!
『フリックス』 トミ・ウンゲラー作 今江祥智・訳 
BL出版 1,365円(税込) 2002(1997)年
ネコの夫婦からイヌの赤ちゃんが生まれました。フリックスと名づけられた
その子は、すくすくと育ち、さまざまな才能を発揮します。

ウンゲラーの絵も、今江さんの訳も、明らかに小さな子どもを意識していない
絵本づくり。絵本部屋ならではの絵本なので、じっくり輪読しました。
ネコの夫婦から生まれたイヌのフリックスの半生が描かれています。物語の
発想がユニーク。そして、イヌの息子をありのまま受け入れた両親、そして
ネコとしての教育だけでなく、イヌとしての教育も受けさせた広い視野を
もつこの両親には脱帽です。そして、フリックスもまた、それを見事に活かし、
イヌの世界でもネコの世界でも受け入れられていく・・・なんだか人間の
世界の身近な問題に置き換えられそうな、深い話です。

 
 
ペンギンハウスのニオシ!
『エミールくんがんばる』 トミー・ウンゲラー作 今江祥智・訳 
文化出版局 1,121円(税込) 1975(1960)年
人間と対等な生き方をするたこのエミールが活躍する奇想天外な絵本。
サモファ船長との友情が、優しく温かく描かれています。

『へびのクリクター』に通じる、ウンゲラーの初期の絵本の典型的なテーマです。
3色刷りの落ちついた雰囲気が昔ならでは。人間の世界にやってはきたけれど、
そして人間の世界で活躍し、人気者になったけど、故郷が恋しくなり、帰っていく・・・
でも、永遠の別れではないところがウンゲラー絵本の優しさかな。今も二人の
交流が続いていると思うと読後感もほのぼのです。

 
ペンギンハウスのサンニオシ!
『ゼラルダと人喰い鬼』 トミー・ウンゲラー作 田村隆一・麻生九美・訳 
評論社 1,365円(税込) 1977(1967)年
朝ごはんに子どもを食べるのが大好きな鬼は、ある朝、森に住む少女ゼラルダに会い、
とてもすてきな食事をごちそうになります。

設定的には、ウンゲラーで一番有名な絵本『すてきな三にんぐみ』に似ている
ところがあります。主人公がいわゆる悪い人、それから話の展開も何かいいことを
しようと意志をもって行ったわけじゃないのに、結果的にみんなのためになることを
しているところなど。この絵本の魅力のひとつは、ゼラルダのつくるお料理のおいしそうな
こと! 読んでいるこちらがわでも食してみたくなります。そして意外な、意外な
結末。講座でも、みなさん最後にびっくりしていました。大人だと余計になのかも。