最終更新日2007年2月5日

おとなたちの絵本部屋レポート

「絵本は子どもだけのものじゃない!」「大人だからこその
読み方ができる!」そんな思いをこめつつ、「絵本部屋」は
大人がゆっくり自分のために絵本でくつろぐ時間と場所です。
文字を読み慣れている大人のみなさんが、絵本の「絵」
ゆっくりと読んでみると、いろんな発見があるかも・・・。




 
●11月のテーマ(bU3) マリー・ホール・エッツさんの絵本
2006年 11/20(月) 11/24(金) 11/30(木) 10:30〜12:00 参加者17人
 
 
●Marie Hall Ets(1985?or3?〜1984)
アメリカ・ウィスコンシン州生まれ。父は牧師(元・医者)。兄1人、姉2人。
動物たちに親しんだ幼少時は、後のマリーの絵本に決定的な影響を与える。
物心つくころから絵を描き、小学1年のときには大人の美術のクラスで勉強するほどに。
美術学校を卒業後、サンフランシスコで働くうち、社会事業奉仕団の仲間である
若い技師と知り合い、結婚。第一次世界大戦中で、夫はヨーロッパに出征する直前、
結婚して2週間後に病死。このことがエッツが社会事業に打ち込むきっかけとなった。
そして、チェコスロバキアに子どもの診療所をつくりに出かけたとき、間違った予防注射を
受けたため、ずっと病身に。アメリカへ戻ってきてから絵本を描きはじめ、その後、
医学者エッツ博士と結婚。まもなく博士も亡くなる。『ペニーさん』がデビュー作。
1959年に出版した『クリスマスまであと九日』が1960年コールデコット賞受賞。
 
ペンギンハウスのイチオシ!
マリー・ホール・エッツ作絵 
松岡享子・訳 徳間書店 1,365円(税込)
表紙の絵がペニーさん。ペニーさんと、ペニーさんがこよなく愛する
ちょっと怠け者の動物たちのお話。エッツのデビュー作。
 
絵本というより、ほとんど読み物といっていいくらいの文章量。
絵本部屋では、この本をメインにして1ページずつ輪読しましたが、
読み終わるのに30分以上かかってしまいました。でも、こんな
機会がなければ、読まなかった人も多いはず。
ハッピーエンドで気持ちいい読後感です。
 
 
ペンギンハウスのニオシ!
 マリー・ホール・エッツ作絵
松岡享子・訳 徳間書店 1,470円(税込)
農業祭でたくさん賞をとったら、みんなで観覧車に乗ろう!
すっかりはしゃいでしまった動物たちは、とんでもない事件を起こします。
 
絵本部屋2日目のときに、上の『ペニーさん』が売り切れてしまったので、
最終日はこちらを輪読。上が縦書きに対して、こちらは横書き。
これも30分以上。やっぱり読後が気持ちいいのは同じです。
 
ペンギンハウスのサンニオシ!
 マリー・ホール・エッツ文絵 
山内清子・訳 偕成社 1,470円(税込)
牧場の牛が友だちをパーティーに招いてごちそうしましたが、
草の嫌いな動物たちもいたのです。自然界のありのままを伝える絵本。
 
3色刷で、ピンクと黄色がかわいい色づかいです。内容はのんび〜り
している面もありながら、結構シビアな面もあり。『わたしとあそんで』と
同じような太陽が、優しいまなざしでいつも見つめてくれているのがいいですね。
 
<絵本部屋ブックリスト>
『もりのなか』 マリー・ホール・エッツ文絵 間崎ルリ子・訳 福音館書店 945円(税込) 1963(1944)年
『またもりへ』 マリー・ホール・エッツ文絵 間崎ルリ子・訳 福音館書店 945円(税込) 1969(1953)年
『わたしとあそんで』 マリー・ホール・エッツ文絵 与田準一・訳 福音館書店 1,050円(税込) 1968(1958)年
『モーモーまきばのおきゃくさま』 マリー・ホール・エッツ文絵 山内清子・訳 偕成社 1,470円(税込) 1969(1958)年
『ペニーさん』 マリー・ホール・エッツ作絵 松岡享子・訳 徳間書店 1,365円(税込) 1997(1935)年
『ペニーさんと動物家族』 マリー・ホール・エッツ作絵 松岡享子・訳 徳間書店 1,470円(税込) 1998(1956)年 
『ちいさなふるいじどうしゃ』 マリー・ホール・エッツ作 田辺五十鈴・訳 冨山房 1,050円(税込) 1976(1948)年
『いどにおちたぞうさん』 マリー・ホール・エッツ作 田辺五十鈴・訳 冨山房 1,050円(税込) 1978(1972)年
『海のおばけオーリー』 マリー・ホール・エッツ作絵 石井桃子・訳 岩波書店 1,470円(税込) 1974(1947)年
『ジルベルトとかぜ』 マリー・ホール・エッツ作 田辺五十鈴・訳 冨山房 1,260円(税込) 1975(1963)年
『クリスマスまであと九日』 マリー・ホール・エッツ&A.ラバスティダ作 田辺五十鈴・訳 冨山房 田辺五十鈴・訳 1,470円(税込)1974年
 
<ノック、ノック!絵本部屋>
絵本部屋にしては珍しく、超有名どころの作家さんを取り上げてみました。
有名ではあるけれど、それは『もりのなか』や『わたしとあそんで』で、
『ペニーさん』のシリーズなんか、きっとあんまり読まれていないんだろうな、
と思い、これを中心にじっくり読んで見ました。
一見地味だし、立ち読みできない文量。子どもに読んであげるってのも
なかなか大変。店でも棚にあるだけじゃなかなか売れない(笑)。
そして動物たちのカタカナ名前がたくさん出てくる。
絵本部屋では、登場人物(動物)一覧をつくって、確認してもらいながら
みんなで読みました。結果、「おもしろい!」「絵本部屋がなかったら、この本は
読まずに通り過ぎた」など、嬉しい声が。絵本部屋に付き添われてきて、
じっくりみんなが読むのを聞いていた3歳の男の子、家に帰ってからペニーさん
ごっこをして遊んだんですって。んまっ、嬉しい。それに別の参加者のお一人が教えて
くれたのですが、墨1色のこの絵本なのに、最後のペニーさんが建てたという
ピンクの家、お子さんが絵をみながら「きれいなピンクだね〜」って言ったんですって。
エッツの絵本って色が少ないけれど、こんなふうに読む人にイメージさせるのね〜。
すばらしい! 最終日は続編を読んだのですが、これもとても愉快!
邦訳は出ていないけど、ペニーさんシリーズもう1冊あるらしいです。
 
 
<おもちゃであそびタイ!ム in 絵本部屋>
 
ねことねずみの大レース 6,510円(税込) セレクタ(ドイツ)
 
キャーキャー、大騒ぎで遊びました。




●10月のテーマ(bU3) わたしの居場所・ひとりの時間
2006年 10/26(木) 10/27(金) 10/30(月) 10:30〜12:00 参加者17人
 
 
家族や友だちと一緒に過ごす時間も楽しいけれど、
人には(子どもでも)一人で過ごせる場所があること、または
そんな時間をときどき持てることが、大切なのではないかしら。
そんな居場所や時間について書かれている(と思われる)絵本を集めてみました。
 
ペンギンハウスのイチオシ!
ベアトリス・シェンク・ド・レーニエ文 アイリーン・ハース絵 ほしかわなつよ・訳 
童話館出版 1,365円(税込)
人は誰でもその人だけの小さな家をもつ必要があります。子どもが
一人で過ごす時間と場所の大切さについてじっくり説いた絵本。
 
まさに今回のテーマの主旨の絵本。この絵本と出会ったときは目からウロコでした。
こんなテーマが絵本に存在するなんて! 子どもだけではなく、大人にとっても
大切なことが丁寧に描かれています。
 
 
ペンギンハウスのニオシ!
ルイス・スロボトキン作 山主敏子・訳 
偕成社 1,260円(税込)
秘密の隠れ場所を探すスーザン。まわりの大人たちも素敵です。
 
最初は必要性があって隠れ場所を探していたスーザンですが、
その場所を最後まで誰にも教えなかったことに意味があるし、これからの
スーザンについても未来が広がります。最後の1ページの素敵なこと!
 
 
ペンギンハウスのサンニオシ!
片山令子・文 片山 健・絵
ビリケン出版 (のうさぎのおはなしえほん3)1,365円(税込)
からっぽな気持ちを抱えて何もする気が起こらないのうさぎさん。
からっぽな具合を穴を掘って表現しました。
 
自分で掘った穴の中にすっぽり入ったのうさぎさん。「こうしていると
あんしんする」。からっぽな気持ちのときに一人でその内面と向き合い、
からっぽにどっぷり浸ると見えてくるものもあるんですよね。
 
 
<絵本部屋ブックリスト>
『あなただけのちいさないえ』 ベアトリス・シェンク・ド・レーニエ文 アイリーン・ハース絵 ほしかわなつよ・訳 童話館出版 1,365円(税込) 2001(1954)年
『スーザンのかくれんぼ』 ルイス・スロボトキン作 山主敏子・訳 偕成社 1,260円(税込) 1970、2006(1961)年
『テーブルのした』 マリサビーナ・ルッソ絵文 青木久子・訳 徳間書店 1,470円(税込) 1998(1997)年
『おおきなきがほしい』 佐藤さとる・文 村上 勉・絵 偕成社 1,050円(税込) 1971年
『あな』 谷川俊太郎・作 和田 誠・画 福音館書店 840円(税込) 1983(1976)年
『あな』 片山令子・文 片山 健・絵 ビリケン出版 (のうさぎのおはなしえほん3)1,365円(税込) 2005年
『わたしの好きな場所 なつの日納屋で』 小泉るみ子・作絵 ポプラ社 1,365円(税込) 2000年
『ねたふり』 小泉るみ子・作絵 ポプラ社 1,260円(税込) 2006年
『あの森へ』 クjレア・A・ニヴォラ作 柳田邦男・訳 評論社 1,365円(税込) 2004(2002)年
『なつのいちにち』 はたこうしろう・作 偕成社 1,050円(税込) 2004年
『青いヤドカリ』 村上康成・作 徳間書店 1,575円(税込) 2001年
『ぼくはだれもいない世界の果てで』 M・T・アンダーソン作 ケビン・ホークス絵 柳田邦男・訳 小学館 1680円(税込) 2006年
 
:::参考:::

『子どもが孤独(ひとり)でいる時間(とき)』 エリーズ・ボールディング著 松岡享子・訳 こぐま社 1,260円(税込)
今回のテーマを見事に語ってくれている本!
 
 
:::ツリーハウス:::
  
『ツリーハウス』 1,600円(税込)
『ツリーハウスをつくる』 1,890円(税込)
『ツリーハウスで遊ぶ』 1,890円(税込)
あこがれのツリーハウス! 子どもが一人になりたい場所、秘密基地の代表ではないでしょうか。
世の中にはいろんなツリーハウスがあるものですね。床だけから、豪邸!まで。
 
<ノックノック! 絵本部屋>
今回のテーマ、1冊まるごとテーマに即しているものはリストの最初の3冊くらいですが、
そのほかの絵本でもたくさん、今回のテーマを読み取ることができると思います。
いろんな読み方ができる絵本の楽しさを再発見といったところでしょうか。
 
今回は、参加者のみなさんに、今の自分、子どものころの自分、自分の子どものことについて、
それぞれ一人になれる場所や時間について語ってもらいました。絵本を読んでからだったからか、
みなさん、すご〜くいろいろ話してくださいました。押入れの中、机、テーブルの下、カーテンの内側、
兄弟の片方がお稽古でいない時間、などなど。
意識はしていなくても、それぞれが一人の時間の大切さを体で感じているようでした。
 
子どもも、大人もですが、一人でいる時間は大切だと思います。そこから生まれてくるものは
形のないものであってもはかりしれないと思います。
それはずっと一人きりでいるわけではなく、ほとんど多くの時間を家族や友だちを過ごすからこそ、
生きてくる一人の時間。それは子ども部屋をもつこととかそういう大そうなことではなく、
一人を楽しんでいるのを見かけたら、まわりは話しかけない、ジャマをしない、そんな
お互いの心持ちで生まれくる時間だと思います。
絵本にはそんなことを気づかせてくれるものがたくさんあるんですよ。すごいな〜。
 
今回の絵本部屋は、久々に満員(というか定員オーバー)でした。嬉しいな〜。
 
 
<おもちゃであそびタイ!ム in 絵本部屋>
牧場のかくれんぼ 1,470円(税込) アミーゴ(ドイツ)
 
久々に登場かな? 今回は絵本部屋の前に遊びました。
ないものを探すという、脳内にマイナスとプラスの要素をかけめぐらせるゲーム。
やっぱり、大盛り上がり。初対面の緊張も打ち解けて、絵本部屋に入ることができました。





●9月のテーマ(bU2) 工藤ノリコさんの絵本
2006年 9/21(木) 9/22(金) 9/25(月) 10:30〜12:00 参加者10人
 
 
●くどうのりこ(1970〜)
1970年、横浜市生まれ。千葉市育ち。女子美術短期大学卒。
(株)オリエンタルランドでディズニーランドの装飾課に勤務した後、フリーに。
絵本のほか、マンガも手がけている。

 
ペンギンハウスのイチオシ! 
工藤ノリコ・作 佼成出版社 1,365円(税込)
スーパーマーケットへお買い物。今日は何を買おうかな。
ママがいない隙に、お菓子をカゴに入れちゃえ!
 
工藤ノリコさんの絵の魅力が凝縮された一冊。スーパーの
品物を見るのも楽しいし、店内の客のそれぞれのドラマ?を
みるのも楽しい。ニワトリママが買ったものが、家に帰ってどんな
料理に変身するかも見ものです。一見、表情ともみえるヒヨコたち
ですが、感情の起伏が伝わってきます。不思議〜。


 
 
ペンギンハウスのニオシ! 
工藤ノリコ・作絵 教育画劇 1,050円(税込)
セミくんがいよいよ今夜・・・。夏の夜のすてきなパーティー。
 
最初の見返し(茶色無地)、最後の見返し(水色無地)、裏表紙、
すべてをじっくり見ると、発見がいっぱいです。登場人物(虫)たちが
暮らす小さな世界も丹念に書き込まれています。それぞれの巣は、
こういう位置関係だったのね〜、とか。セミくんの室内も、脱皮の瞬間も
魅力的。生命の喜びを満喫しているセミくんに幸せを感じます。


 
 
ペンギンハウスのサンニオシ!
工藤ノリコ・作 学習研究社 1,260円(税込) 
コブタのきょうだいは、ベッドに入って、どんな夢をみようか考えます。
ジャングル、お城、海賊・・・。夢がいっぱい!
 
現実を夢は切り離されているものじゃなく、現実にあるものが、
夢のなかにもたくさん登場します。何回も何回もページをめくって
いろいろ探せちゃう。そして、子どものころに描いた夢の世界って、
こんな世界かもな〜なんてことを思い出すかもしれません。


 
<絵本部屋ブックリスト>
『コバンツアーかぶしきがいしゃ』 工藤ノリコ・作絵 偕成社 1,050円(税込) 1999年
『オラウーちゃん』 工藤ノリコ・作 文溪堂 1,260円(税込) 2000年
『オラウーちゃんとまほうのやかた』 工藤ノリコ・作 文溪堂 1,260円(税込) 2001年
『ピヨピヨスーパーマーケット』 工藤ノリコ・作 佼成出版社 1,365円(税込) 2003年
『セミくん いよいよこんやです』 工藤ノリコ・作絵 教育画劇 1,050円(税込) 2004年
『こんやはどんなゆめをみる?』 工藤ノリコ・作 学習研究社 1,260円(税込) 2006(2006)年
『寿限無』 齋藤 孝・文 工藤ノリコ・絵 ほるぷ出版(声にだすことばえほん) 1,260円(税込) 2004年
・・・・・・・・
『がんばれ! ワンワンちゃん』 @ A  白泉社 各630円(税込)
『さすらいの就職犬!ワンワンちゃん』  白泉社 600円(税込) 
 
 
<ノックノック! 絵本部屋>
2学期に入り、絵本部屋も通常バージョンに戻りました。今回のテーマは、工藤ノリコさん。
今風の若手の作家さん。たぶん、これから出る絵本のほうが、ブックリストに挙げたものより
多いのではないでしょうか。かなりマンガチックなので、好き嫌いは分かれるかもしれませんが、
一度この世界にはまってしまうと抜けられなくなる・・・。登場人物だちの無表情にいろんな
感情を見つけたり、小物やインテリアを楽しんだり、子どもごころをくすぐる要素に、
大人でも心躍らされたり。とにかく、笑えるだけじゃなくて、一冊一冊がよ〜く練られて
描かれているな〜というのが、主催者側の感想です。
今回の絵本部屋では、とにかく参加者のみなさんがキャーキャーと絵本を見ながら
喜んでくれたのが嬉しかったです。みなさん、目をキラキラさせていたもの。
ところで、よく自分の描くキャラをそっくりな絵本作家さんっていらっしゃいますが、
工藤ノリコさんもお写真を拝見する限りそんなお一人だと思います。って失礼?
参加者のみなさんは、同意!でしたよ〜。
 
<おもちゃであそびタイ!ム in 絵本部屋>
マイスタークリーナー 1,680円(税込) アミーゴ(ドイツ)
 
ルールは簡単。同じ大きさの窓を探すだけ。なのにこんなに難しい!
参加者のみなさんの間違え率の高さにも大うけでした。




●8月のテーマ(bU1) コマわり絵本
2006年 8/21(月) 8/24(木) 8/25(金) 10:30〜11:30 参加者8人
 
マンガのような絵本のような、
絵本の絵が、コマ割りされているものです。
マンガとの線引きは、だいたい出版社でさせていただきました。
 
ペンギンハウスのイチオシ!
越智典子・作 出久根 育・絵 偕成社 1,470円(税込)
熱があって寝ていたひさこちゃんのおふとんが、みるみるうちに・・・。
 
イギリスの子どもの詩集で、掛け布団だかベッドカバーを海にみたてて
おもちゃの船で遊ぶのがあったけれど、これは海ではなく雪山。
そこに住む小人たちが、すごいしかけ装置をつくって熱をさげてくれます。
ほとんど言葉がなく、言葉があっても小人たちの話す言葉は人間には
わからない言葉(想像することはできるけれど)。静かな静かな絵本です。
お見舞いにもピッタリ!です。
 

ペンギンハウスのニオシ!
ルイス・トロンダイム作 講談社 1,575円(税込)
パリで生まれた文字なし絵本。人生の暗喩か、ギャグか?
 
1ページ完結で、何話も入っています。そのどれをとっても主人公のO氏が、
向こうの崖に渡ろうと奮闘する話。あの手この手を使いつつ。そして、どれも
失敗。パターンは同じなのに、そこにいたる方法がいろいろあって、結末が
わかっていても笑えます。


ペンギンハウスのサンニオシ!
大島妙子・作 金の星社 1,260円(税込)
湖のほとりで静かに暮らす猫吉一家。ゆったりとほのぼのとした日々。
そして感動のラスト!
 
春と夏のお話が1話ずつ。「秋冬」編も出ています。生地を売って生計を
たてている猫吉一家。あくせくと働いているわけではなく、のん気に暮らして
います。屋台を押して行商に出、その昼休みのほんのひと時に息子が
出会った人たちが、夜遅くまた訪ねてくるというパターン。たくさんではないけれど
セリフもあり、ゆったりと一こま一こま楽しめます。


<絵本部屋ブックリスト>
『大好き!ヒゲ父さん』 e.o.プラウエン作 青萠堂 1,260円 2005(1982)年
『黄金のしっぽ ムーミンコミックス1』 トーベ・ヤンソン、ラルス・ヤンソン作 冨原眞弓・訳 筑摩書房 1,260円(税込) 2000(1990)年
『タンタン ソビエトへ』 エルジェ・作 川口恵子・訳 福音館書店 1,680円(税込) 2005(1999)年
『黒いスマーフ スマーフ物語1』 ペヨ作 村松定史・訳 セーラー出版 小川悦子・編 1,575円(税込) 1985(1963)年
『おてんばルル』 イヴ・サンローラン作 東野純子・訳 河出書房新社 2,940円(税込) 2006(2003)年
『いたずらララちゃん』 なかえよしを・作 上野紀子・絵 ポプラ社 1,260円(税込) 1984年
『ちえこショー』 山田ゲンイチ・作 小学館 1,000円(税込) 2005年
『みつごちゃんとけっこんしき』 ニコル・ランベール作 たにうちこうた・訳 フェリシモ出版 1,200円(税込) 2001(1999)年
『おぢさん』 レイモンド・ブリッグズ作 林 望・訳 小学館 2,310円(税込) 2004(1992)年
『子いぬのかいかたしってるかい?』 モーリス・センダック、マシュー・マーゴーリス作 モーリス・センダック絵 偕成社 1,260円(税込) 1980(1976)年
『おとなになること』 サラ・ミッダ作 江國香織・訳 ほるぷ出版 1,680円(税込) 1995(1994)年
『かんがえるカエルくん』 いわむらかずお・作 福音館書店 1,575円(税込) 1996年
『海のおばけオーリー』 マリー・ホール・エッツ文絵 石井桃子・訳 岩波書店 1,470円(税込) 1974(1947)年
『ちいさな天使と兵隊さん』 ピーター・コリントン作 すえもりブックス 1,365円(税込) 1990(1987)年
『おふとんのくにのこびとたち』 越智典子・作 出久根 育・絵 偕成社 1,470円(税込) 2005年
『猫吉一家物語 春夏』 大島妙子・作 金の星社 1,260円(税込) 2002年
『土星の輪』 榊原廣之・作 福音館書店 1,050円(税込) 2004年
『ロボットのくにSOS』 たむらしげる・作 福音館書店 840円(税込) 1996(1991)年
 
 
 
<ノックノック!絵本部屋>
絵本の内容ではなく、表現形態をテーマにするのは「文字なし絵本」以来かな?
文字がまったくないもの、少ないものが多く、あったとしてもセリフは吹き出しに
入るマンガのようなものが多かったです。先にも書きましたが、マンガと絵本、
あまり区別できませんでした。児童書出版社のもの、また、コミック出版社ではない
ものを選んだ結果となりました。また、ピーター・コリントンやレイモンド・ブリックスなど、
出すほとんどがコマわりの作家は一冊、ピーター・スピアは作家別で取り上げたことが
あるので除外。それでも、それでも、たくさんありました。
リストは、コマわり絵本全体の、ほんのほんの一部です。
ひとくちにコマわり絵本といっても本当に様々。セリフの有無だけでなく、4コマのようなものから、
長編まで。絵本全体の一部分だけコマわりというものもありました。
文字が比較的少ないから簡単に読めると思いきや、とんでもない!
見る絵の数としては、普通の絵本の何十倍もあって、それはそれは大変なものも。
じっくりと読んでいたら何時間あってもたりない。やっぱりこういう絵本はみんなで読むより、
一人でじっくり一こまずつ納得してから次に進むほうがいいかもしれいですね。今さらですが。
 
今回は夏休み短縮バージョン(1時間)の2回目で、あそびタイ!ムはなしでした。




●7月のテーマ(bU0) クェンティン・ブレイクの絵本
2006年 7/20(木) 7/21(金) 7/24(月) 10:30〜11:30 参加者8人
 
Quentin Blake(1932〜)
1932年、イギリスに生まれる。ケンブリッジ大学卒業後、チェルシー
美術学校で絵画を学ぶ。ラッセル・ホーバン、ロアルド・ダール、ジョーン・
エイキンの本の挿絵で人気が高く、また自作の絵本も多い。1980年
"Mr.Magnolia"でケイト・グリーナウェイ賞、『ピエロくん』で1996年
ボローニャ・ラガッツィ賞<児童フィクション部門>受賞、1999年、
イギリス王室から初代名誉児童文学作家の称号を授かり、2002年
国際アンデルセン賞を受賞した。
 
 
 
ペンギンハウスのイチオシ!
クェンティン・ブレイク作 千葉茂樹・作 
あかね書房 1,680円(税込) 
おばさんの家で過ごす夏休み。お屋敷の庭にもぐりこむと
びっくりするものが現れた。みどりの船。ぼくたちは忘れない、あの夏を。
 
お屋敷のトリディーガさんと庭師が、みどりの船で子どもたちに接する様子は
見事です。みたて遊びの真髄がここにあるような。また姿を見せない
船長にも、読者はいろいろと想像を働かせることができます。参加者の
なかには、トリディーガさんは認知症かも・・・とおっしゃった方がいましたが、
なるほど、そんな読み方もできると思いました。


ペンギンハウスのニオシ!
クェンテイン・ブレイク作 さかいきみこ・訳 
小峰書店 1,365円(税込) 
博士ご自慢の10羽のインコ。インコたちは博士の毎日
同じあいさつに飽き飽き。からかってやろうと隠れます
 
いわゆる探す絵本なんですが、それと気づくのは結構
後になってから。私も最初に読んだときそうでしたが、参加者の
みなさんもそうでした。隠れているときのインコの表情と姿勢が
笑いをさそいます。インコの数にも要注意!


ペンギンハウスのサンニオシ!
クェンテイン・ブレイク作 谷川俊太郎・訳 
好学社 1,575円(税込) 
夫婦のところにやってきた赤ちゃん、ザガズー。初めはかわい
かったのに、次々と変身をとげ・・・。
 
これは「おたなたちの〜」ならではの絵本でしょう。きっと子どもが
読んだ感想と、大人が読む感想は違うでしょうね。自分でさえ、
最初に読んだ印象と最近読んだ印象が異なります。
子どもの成長、親子関係の縮図がここにあります。


<絵本部屋ブックリスト>
『ふしぎなバイオリン』 クェンティン・ブレイク文・絵 谷川俊太郎・訳 岩波書店 819円(税込) 1976(1968)年
『アーミテージさんのすてきなじてんしゃ』クェンティン・ブレイク作 ひがしはるみ訳 あかね書房 1,365円(税込) 1997(1987)年 
『10わのインコどこいった!』 クェンテイン・ブレイク作 さかいきみこ・訳 小峰書店 1,365円(税込) 2001(1992)年
『みどりの船』 クェンティン・ブレイク作 千葉茂樹・作 あかね書房 1,680円(税込) 1998(1998)年
『ピエロくん』 クェンテイン・ブレイク作 あかね書房 1,631円(税込) 1996(1995)年
『シンプキン』 クェンテイン・ブレイク作 まえざわあきえ・訳 朔北社 1,470円(税込) 1999年
『ザガズー じんせいってびっくりつづき』 クェンテイン・ブレイク作 谷川俊太郎・訳 好学社 1,575円(税込) 2002(1998)年
『悲しい本』 マイケル・ローゼン作 クェンテイン・ブレイク絵 谷川俊太郎・訳 あかね書房 1,470円(税込) 2004(2004)年
『おばさんヤギのだいかつやく』 ジョン・ヨーマン文 クェンティン・ブレイク絵 山口文生・訳 評論社 1,260円(税込) 1992(1974)年

<ノックノック!絵本部屋>
きっとロアルド・ダールなどの本の挿絵のほうがおなじみかと思われる
クェンティン・ブレイク。この人のサラサラッと描く線は嫌味がない。
読者に想像の余地をたっぷり残してくれるので、挿絵にはピッタリと思います。
でも、絵本もグーです。リストの前半は、文章もブレイクのものですが、
唐突に始まり、唐突に終わるものが結構あって、でも、「なぜ?」なんてことを
読者に考えさせない。そういうのもアリだなと思わせられる。
難しいことを考えずに読めるし、難しいことを考えようと思えば考えられる絵本が
多い気がします。読者に任せてくれているようで、気持ちいいです。
 
今回は夏休み短縮バージョン(1時間)の1回目で、あそびタイ!ムはなしでした。



●6月のテーマ(bT9)
   韓国の絵本
 
2006年 6/19(月) 6/22(木) 6/23(金)10:30〜12:00  参加者10人

 

絵本界にも韓流ブーム!? 次々と韓国の絵本が翻訳されています。

韓国の絵本にみる、韓国の風土、日本との共通点、相違点・・・。

お隣の国を絵本からのぞいてみましょう。

 

ペンギンハウスのイチオシ!

『かあさんまだかな』

イ・テジュン文 キム・ドンソン絵 チョン・ミヘ・訳 

フレーベル館 1,260円(税込) 

母さんはいつ帰ってくるの? 坊やの思いがずっとずっと続きます。

どこか懐かしい情景とともに。

 

なんといっても絵がステキ。光の差しかた。そして、ストーリーの間がいい。

詳しい背景はわからない、ただ、子どもが願う母親への気持ちだけが描かれて

います。最後のページの絵をよく見るかどうかで、この絵本の印象はだいぶ

違うのじゃないかな。新刊ででたときから、ペンギンでは人気の一冊です。


 

ペンギンハウスのニオシ!

『うさぎのおるすばん』

イ・ホベク作 黒田福美・訳

平凡社 1,575円(税込) 

家族が出かけている間、ベランダのうさぎは家に入って、あれもこれも

やってみた。いつも試してみたかったことを・・・。

 

チマチョゴリの絵がなかったら、韓国の絵本だとまったくわからない。

欧米とは思わないかもしれないけど、日本の絵本だと錯覚しそう。

それくらい、この団地の室内が、どこにでもある風景です。

あるとき、外出から帰ってきて、外で飼っているはずのうさぎのフンが

室内にあったら、こんなことを想像するんじゃないかな。どこの場面でも

うさぎがフンをしているのが、人間らしくしていてもやっぱりうさぎだな〜

という感じでかわいい。


 

 

ペンギンハウスのサンニオシ!

『ヨンイのビニールがさ』

ユン・ドンジェ作 キム・ジェホン絵 ピョン・キジャ訳 

岩崎書店 1,365円(税込) 

雨の日、ビニール傘をさして登校してきたヨンイの目に飛び込んできたのは、

地べたに座る浮浪者だった。

 

絵本部屋の直前に出た新刊。これも国籍不明ともいえるような絵本。

絵本のクライマックスでは、主人公の絵が陰だけで描かれているのがすごいところ。

だからかえって読んでいる側には緊迫感が伝わってくる。描かないからこそ。

また、雨が土に落ちる様子の絵がリアル! 自分が本物の地面を見つめている

気になる。人物の絵が、ちょっと林明子さんを思わせるように感じました。



<絵本部屋ブックリスト>

『山になった巨人 白頭山ものがたり』 リュウ・チェスウ作絵 イ・サンクム/松居 直・訳 福音館書店 2,205円(税込) 1990(1988)年

『トッケビのこんぼう』 チョン・チャジュン文 ハン・ビョンホ絵 藤本朝巳・訳 平凡社 1,575円(税込) 2003(1996)年

『パンチョギ』 ソ・ジュンエ文 ハン・ビョンホ絵 神谷丹路・訳 少年写真新聞社 1,890円(税込) 2006(2003)年

『あまのじゃくなかえる』 イ・サンベ文 キム・ドンソン絵 神谷丹路・訳 少年写真新聞社 1,575円(税込) 2005(2004)年

『あかてぬぐいのおくさんと7にんのなかま』 イ・ヨンギョン文絵 神谷丹路・訳 福音館書店 1,575円(税込) 1999(1998)年

『かあさんまだかな』 イ・テジュン文 キム・ドンソン絵 チョン・ミヘ・訳 フレーベル館 1,260円(税込) 2005(1938,2004)年

『私の社稷洞(サジクドン)』 キム・イネ文 ハン・ソンオク絵 大竹聖美・訳 アートン 1,575円(税込) 2004(2003)年

『スニちゃん、どこゆくの』 ユン・クビョン文 イ・テス絵 平凡社 各1,525円(税込) 2003(1999)年

『おおいそがし、こいそがし』 ユン・クビョン文 イ・テス絵 平凡社 各1,525円(税込) 2003(2000)年

『ソリちゃんのチュソク』 イ・オクベ絵文 みせけい・訳 セーラー出版 1,575円(税込) 2000(1995)年

『マンヒのいえ』 クォン・ユンドク絵文 みせけい・訳 セーラー出版 1,575円(税込) 1998(1995)年

『きょうはソンミのうちでキムチをつけるひ!』 チェ・インソン文 パン・ジョンファ絵 ピョン・キジャ訳 セーラー出版 1,575円(税込) 2005(2001)年

『かぜひいちゃった日』 キム・ドンス作絵 ピョン・キジャ訳 岩崎書店 1,365円(税込) 2004(2002)年

『うさぎのおるすばん』 イ・ホベク作 黒田福美・訳 平凡社 1,575円(税込) 2003(2000)年

『ヨンイのビニールがさ』 ユン・ドンジェ作 キム・ジェホン絵 ピョン・キジャ訳 岩崎書店 1,365円(税込) 2006(2005)年

『あめがふるひに・・・』 イ・ヘリ文絵 ピョン・キジャ訳 くもん出版 1,365円(税込) 2005(2001)年

 ※このブックリストは韓国絵本を網羅しているわけではありません。まだまだたくさんありますよ。

 

<ノックノック! 絵本部屋>

絵本が出された国で絵本部屋のテーマを決めるのは初めて。

というのも、韓国絵本のブームを感じるこのごろ。どんな韓国絵本が今翻訳さているのか、

流されすぎて、絵本に携わりつつもアップアップとしていてわからなくなってしまっている。

ここで一度、きちんとまとめてみようと思いました。

 

韓流ブームに代表されるように、日本人の目が韓国に向けられるようになったから、

日本に韓国の絵本が紹介されるようになってきたのかと漠然と思っていました。

ペンギンがオープンしたころは、福音館をのぞけば、『マンヒ〜』くらいしかなかったもんな〜。

ところが、資料を調べたら、韓国にも創作絵本というジャンルが確立され、出版されるようになったのは

近年だということ。それまで、子どもの本は世界の名作や、伝記などが主流だったって。

欧米や日本の絵本が韓国で翻訳されるようになって、ここ十年くらいで韓国でも作家が育って、

韓国の持ち味をいかした絵本がどんどん生み出されるようになったのだと資料には書いてありました。

 

たしかにそう書いてあったのですが、参加された韓国出身の方が教えてくれたところによると、

昔から創作の絵本はあったけれど、それが小さな出版社で出ていて、最近になった大きな出版社が

権利を買い取って、広く出し始めたとのこと。だから、海外とも出版の交渉ができるようになって、

日本にも(欧米にも)韓国の絵本が翻訳され出るようになったのかもなと、その話を聞いて思いました。

その方によれば、たとえば『ソリちゃんのチュソク』も今の韓国の人が見ても懐かしいな〜と感じるくらい、

昔の風習だそうです。韓国の今ではないそうです。たしかに、韓国の今を描かれても、韓国らしいと思わない

かも。絵本部屋では、いわゆる韓国っぽい(韓国の風習・風土が盛り込まれた)絵本から、韓国の絵本と

言われなければ、どこの国の絵本かわからない絵本まで取り上げました。とくに後者のものまでもが、

日本において出版されるということが、本当に韓国作家の絵本が日本にまで欧米の翻訳絵本とかわりなく

入ってきて、垣根が低くなったと思わせます。これからは、どんどんそうなるのかも。

 

いつも絵本部屋の参加者は、ある意味「常連さん」で、固定されています。その月が何のテーマの

絵本であっても、参加者は同じ(笑)。でも、今回は、テーマが「韓国絵本」だからと、内容で参加された

方が何人もいらっしゃって、やはり、他のテーマとは異なる流れを感じました。でもそういう方たちに韓国のことを

いろいろ教えてもらえて、とてもおもしろかったです。

 

韓国の絵本というと、昔話の福音館はさておき、セーラー出版が足がかりをつくり、平凡社が地を固め、

アートンでブームの波にのり・・・というような印象でしたが、最近は少年写真新聞社の韓国の絵本が

おもしろいと感じ始めています。ブームに終わらず、これからもいろんな韓国絵本が翻訳され、こうして

国でまとめてテーマにするなんてナンセンスと思うくらい、浸透すればいいなと思います。

 

 

韓国絵本については、↓これらに詳しく載っています。

 

『ブックエンド』3号 絵本学会 1,365円 <特集>韓国絵本が熱い!

「スッカラ」2号 アートン  「情感あふれる韓国絵本の世界」という記事があります。

 

 

<おもちゃであそびタイ!ム in 絵本部屋>

ハリガリ アミーゴ(ドイツ) 2,940円(税込)

 

順番に果物が描かれたカードを出していって、場に出ているカードの中で、

同じ果物が5個になったら、すかさずチーン!とベルをたたきます。

スピードを要するゲームです。

 

大人たちだけで大盛り上がり! チーンと気持ちよくたたけたときは気持ちいい。

でも、そのために焦ってお手つきも多いんだよね、このゲーム。

 


 

●5月のテーマ(bT8)   長谷川義史さんの絵本 
2006年 5/17(月) 5/25(木) 5/26(金) 10:30〜12:00  参加者8人

 
はせがわよしふみ(1961〜)
1961年大阪府生まれ。グラフィックデザイナーを経て、イラストレーターに。
現在は、絵本、児童図書を中心に活躍中。『おたまさんのおかいさん』で
講談社出版文化絵本賞、『いろはにほへと』で日本絵本賞を受賞。
『どこどどこ』に楽しい経歴が載っています。
 
 
ペンギンハウスのイチオシ!
長谷川義史・作絵 
PHP研究所 1,155円(税込) 2003年
エレベーターにのって、デパートのいろんなフロアでお買いもの。
あれあれ、こんな売場あり?
 
この絵本を含めて、『まんぷくでぇす』『いっきょくいきまぁず』の同家族が
登場するこのシリーズが、一番はちゃめちゃで、そのうえよく練られているな〜と
思います。この『うえへ〜』でいえば、フロアの階数の数字、忍者の存在、
商品アイテム、いや、すばらしい。家族以外にも3冊を通して必ず出てくる
人がいるんですよ。それに見返しが楽しい。絵本部屋でもワイワイ
騒ぎながら絵を読み込みました。
 
ペンギンハウスのニオシ!
長谷川義史・作 
絵本館 1,260円(税込) 2005年
やまださん一家の今日の天気は・・・・・・。台風、竜巻、なだれ、雷。
とっても激しい移り変わりで一日が終わります。
 
天気をあらわす言葉。この言葉が家族の感情や状態など、ほかの意味にも使われて、
私たちの日常生活は、天候と密接だな〜と思います。仕事に行っていて、やまだ家の
日中にはいないお父さんの様子も、ページの済みで天気ダジャレとともにうかがえるのが
楽しい。また、どろぼうさんの存在にも注目! 見返しもなるほど〜とうなります。
 
ペンギンハウスのサンニオシ!
長谷川義史・作 
ひかりのくに 1,260円(税込) 2004年
遊園地のトイレ、ふろやでじいちゃん、どこどこどこ?
絵の中から目的のものを探す絵本。
 
探す絵本はちょっとしたブームで、いろんな絵本が存在しますが、この長谷川さんの絵本は
難易度かなり高い(と思う)。だって、絵がもともとラフな感じではっきりした線じゃないから、
同じものを探すっていったって、これでいいのか?何をもって同じとするのか難し〜い!
でもね、やっぱり答えはあるんです。この絵本、最初と最後の見返しが7つの間違い探しに
なっていて、ついやり始めてしまった初日の参加者。それから2時間帰れませんでした。

 
<絵本部屋ブックリスト>
『どこどこどこ いってきまーす』 長谷川義史・作 ひかりのくに 1,260円(税込) 2004年
『スモウマン』 中川ひろたか・文 長谷川義史・絵 講談社 1,575円(税込) 2002年
『うえへまいりまぁす』 長谷川義史・作絵 PHP研究所 1,155円(税込) 2003年
『まんぷくでぇす』 長谷川義史・作絵 PHP研究所 1,260円(税込) 2004年
『いっきょくいきまぁす』 長谷川義史・作絵 PHP研究所 1,260円(税込) 2005年
『やまださんちのてんきよほう』 長谷川義史・作 絵本館 1,260円(税込) 2005年
『しってるねん』 いちかわけいこ・文 長谷川義史・絵 アリス館 1,260円(税込) 2006年
『いろはのかるた奉行』 長谷川義史・作絵 講談社 1,890円(税込) 2005年
『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』 長谷川義史・作 BL出版 1,470円(税込) 2000年
『おたまさんのおかいさん』 日之出の絵本製作実行委員会・文 長谷川義史・絵 解放出版社 1,890円(税込) 2002年
『ずいとん先生と化けの玉』 那須正幹・文 長谷川義史・絵 童心社 1,365円(税込) 2003年
『どこどこどこ いってみたーい』 長谷川義史・作 ひかりのくに 1,260円(税込) 2004年
『おたすけてんぐ』 長谷川義史・作絵 教育画劇 1,890円(税込) 2004年
『ねえねえ』 内田麟太郎・作 長谷川義史・絵 鈴木出版 1,155円(税込) 2004年
『いろはにほへと』 今江祥智・文 長谷川義史・絵 BL出版 1,365円(税込) 2004年
『となりのイカン』 中山千夏・文 長谷川義史・絵 自由国民社 1,575円(税込) 2004年
『がまの油』 齋藤 孝・文 長谷川義史・絵 ほるぷ出版 1,260円(税込) 2005年
『きみたちきょうからともだちだ』 中川ひろたか・文 長谷川義史・絵 朔北社 1,260円(税込) 2005年
『ぼくのえんそく』 穂高順也・作 長谷川義史・絵 岩崎書店 1,365円(税込) 2005年
『おじいちゃんのごくらくごくらく』 西本鶏介・作 長谷川義史・絵 鈴木出版 1,155円(税込) 2006年
『トトトのトナカイさん』 長谷川義史・作 ブロンズ新社 1,260円(税込) 2006年
『かあちゃんかいじゅう』 内田麟太郎・作 長谷川義史・絵 ひかりのくに 1,260円(税込) 2003年
  ※ほかにも読みものの挿絵など、たくさんあります。
 
<ノックノック! 絵本部屋>
近年、毎月1冊は新刊が出ているんじゃないかしら?という勢いの長谷川義史さん。絵本部屋の最中にも
新刊が出た。追いきれない。それでもって、見所たっぷりのものが多いので、上記リストの上から7点のみを
絵本部屋ではじっくり読みました。長谷川さんは他の人の文章にも絵をつけています。でも、やっぱり
ご自分で両方を担当されたもののほうが、おもしろいような気がします。おもしろさだけを追求すると。
そして、遊び心満点の絵本はぺージの隅から隅、見返しまでじっくり見て楽しめる。何回読んでも
発見がある。やっぱり、家においておいて何回も見たほうが楽しいという、本屋を喜ばせる絵本じゃないで
しょうかね。関東人が思う大阪人の典型のような絵?で、笑いの絶えない絵本部屋となりました。
 
<おもちゃであそびタイ!ム in 絵本部屋> 
 
『いろはのかるた奉行』のコピーして(本当はいけないことです)、
奉行が考えたダジャレ?いろはかるたを取り、取った人が本来の
言葉を当てるという、ハイレベルなかるた大会をしました。
奉行かるたがねぇ、もう原型をとどめていないくらいのものがあって、
それがおかしい。また、その意味もこじつけでおかしい。
これでいろはかるたを覚えるというよりも、既に知っているほうが
パロディを楽しめると思います。




●4月のテーマ(bT7)   ながい、なが〜い絵本 
2006年 4/17(月) 4/20(木) 4/21(金)10:30〜12:00  参加者6人

「長い」をキーワードに絵本を集めてみました。
いろんな「長い」をお楽しみください。

ペンギンハウスのイチオシ!
岩崎書店 1,155円(税込) 1980年
ごちそうが大好きなポコおじさん。ある日そらまめを食べたら、
足がにょきにょきとどこまでも伸びました。
 
おはなし会でも子どもたちに大人気の本。大人は、そら豆星人?の
不気味さや、ポコおじさんの不思議さをおもしろがるようです。
ただ足が伸びるだけでこんなに楽しいものなのね。一見、意味のない
ナンセンスのようですが、「そら豆」だから「伸びる」のかもと気づかれた
参加者がいました。なるほど〜。


ペンギンハウスのニオシ!
 
『ながいながいかみのおひめさま』 コーミラー・ラーオーテ文 ヴァンダナー・ビシュト絵
木坂 涼・訳 アートン 1,575円(税込) 2006年
何不自由なく暮らすお姫さまが決心したことは・・・。
背景の絵の隅々まで繊細に描かれているインドの絵本。
 
お姫様の長い髪は、いろんなしがらみの象徴だったのかな。
自ら切り落とし、その髪を役立ててもらうことで、お姫さまが自分の存在意義を
見出すようなそんな感じがします。お姫さまの表情がどんどん変わっていきます。


ペンギンハウスのサンニオシ!
 
『なんげえはなしっこしかへがな』 北 彰介・文 太田大八・絵 
銀河社 1,365円(税込) 1979年
津軽弁でいろんな長い話が、7話収録されています。
 
子どもたちから「もっと読んで」と繰り返し言われたときに、
「もうおしまいにして」と言われるように、同じ言葉を繰り返し繰り返し
話に入れて、長くなったお話なんだそう。
 

 
<絵本部屋ブックリスト>
『ダチョウのくびはなぜながい?』 ヴァーナー・アーダマ文 マーシャ・ブラウン絵 松岡享子・訳 冨山房 1,470円(税込) 1996(1995)年
『うさぎのみみはなぜながい』 北川民次・文と絵 福音館書店 1,155円(税込) 1962年
『どうながのプレッツェル』 マーガレット・レイ文 H・A・レイ絵 渡辺茂男・訳 福音館書店 1,155円(税込) 1978(1944)年
『ナガナガくん』 シド・ホフ作絵 小船谷佐知子・訳 徳間書店 1,575円(税込) 1999(1964)年
『ながいながいへびのはなし』  風木一人・文 高畠 純・絵 小峰書店 1,260円(税込) 2001年
『せかいいちながいへび』 みやざきひろかず・作 教育画劇 1,050円(税込) 2005年
『あしにょきにょき』 深見春夫・作絵 岩崎書店 1,155円(税込) 1980年
『ある朝ジジ・ジャンボウはおったまげた!?』 ひらいたかこ・作 絵本館 1,050円(税込) 1981年
『まあちゃんのながいかみ』 たかどのほうこ・作 福音館書店 780円(税込) 1995(1989)年
『ラプンツェル』 伊藤 亘・絵 天沼春樹・訳 パロル舎 1,680円(税込) 1996年
『ながいながいかみのおひめさま』 コーミラー・ラーオーテ文 ヴァンダナー・ビシュト絵 木坂 涼・訳 アートン 1,575円(税込) 2006年
『これはジャックのたてたいえ』 シムズ・タバック作 木坂 涼・訳 フレーベル館 1,365円(税込) 2003年
『わたしの庭のバラの花』 アーノルド・ローベル文 アニタ・ローベル絵 松井るり子・訳 セーラー出版 1,680円(税込) 
『落語絵本四 じゅげむ』 川端 誠・作 クレヨンハウス 1,260円(税込) 1994年
『寿限無』 齋藤 孝・文 工藤ノリコ絵 ほるぷ出版 1,260円(税込) 2004年
『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』 長谷川義史・作 BL出版 1,470円(税込)
『なんげえはなしっこしかへがな』 北 彰介・文 太田大八・絵 銀河社 1,365円(税込) 1979年
 
 
<ノックノック、絵本部屋>
胴長だったり、髪がものすごく長かったり、足が伸びたり、おちんちんが伸びたり、
体の一部が一般的なサイズよりも長い「規格外」絵本をメインに、
積み重ね歌、名まえが長い、文章が長い本、どうしてその長さになったのかという
昔話など、「長い」をキーワードに集めてみました。
「規格外」はおもしろいですね。ピノキオなんかもそうなんですが、
伸びる、長いものがさらに長くなる、日常とかけはなれているというのは
とてもおもしろい要素だと思います。
 
<おもちゃであそびタイ!ム in 絵本部屋>
 
ピコ・いろいろキリン 1,680円(税込)
ドイツ・セレクタ社
 
絵本部屋の「長い」にあわせて、こちらも「長い」
ゲームにしました。キリンの首や足がどんどん長くなる
カードゲームです。説明書に載っているルールではなく、
ペンギンで編み出したルールで遊びました。
 

●2月のテーマ(bT6)   ナイスコンビ絵本 人間&動物編
2006年 2/24(月) 2/27(月) 10:30〜12:00  参加者11人

 

人間と動物のナイスな組み合わせ。この1人と1匹が手を組めば、
どんな困難だって乗り越えられる! そんなワクワクさせられる絵本を
読んでみました。
 
ペンギンハウスのイチオシ!
角野栄子・文 長崎訓子・絵 講談社 1,575円(税込) 
パンパさんと、犬のコンパさんはいつでも何をするのも一緒。
でも違うことだってある。
 
とくに難しいことを考えることがな〜んにも必要なく、純粋に
楽しめる絵本。物語の楽しさを、絵本という手法がさらに
引き出してくれているな〜と思います。二人が見つけてきたお嫁さん
の姿を、絵で見比べると楽しいです! 
 
ペンギンハウスのニオシ!
『ビュンビュンきしゃをぬく』 アーナ・ボンタン&ジャック・コンロイ文 バージニア・リー・バートン絵
ふしみみさを・訳 岩波書店 1,785円(税込)
自慢の列車が老犬ビュンビュンに追い抜かれ、駅長さんは我慢
なりません。
 
すご〜く楽しい物語。だけど、長い。要約だけじゃあっさりしすぎる。
やっぱり最初から全部読んだほうが楽しめる!  てなわけで、
時間をかけて最初から参加者たちとじっくり読みました。
みなさん、がんばって読んでくれました。おかげで楽しめました!
 
ペンギンハウスのサンニオシ!
『ミスタードッグ ぼくはぼくだけのぼく』 マーガレット・ワイズ・ブラウン文 
ガース・ウィリアムズ絵 木本 栄・訳 講談社 1,575円(税込)
だれのペットでも番犬でもない、立派な老犬クリスピンと一人生きる
少年ジミーの生活。
 
シンプルながら深いテーマ。なかなか日本の絵本じゃ、こういうのがない。
いかにもM・W・ブラウンという感じです。自分は自分だけのもの、誰にも
属さない。そんな個々を大切しながら生きる者同士が、また一緒に生きて
いく姿がいいのです。
 
<絵本部屋ブックリスト>
『たからさがし』 中川李枝子・作 大村百合子・絵 福音館書店 780円(税込) 1994(1964)
『ミスタードッグ』 マーガレット・ワイズ・ブラウン文 ガース・ウィリアムズ絵 木本 栄・訳 講談社 1,575円(税込) 2005(1952)
『パンパさんとコンパさんはとってもなかよし』 角野栄子・文 長崎訓子・絵 講談社 1,575円(税込) 2003
『いぬおことわり!』 H・A・レイ絵 マーガレット・W・ブラウン作 福本友美子・訳 偕成社 1,260円(税込) 1997(1942)
『ヤンとスティッ